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2012.09.22 「椿大神社の奥宮登山。だが、行く手には…」


19日(水)、伊勢国の一の宮である椿大神社(ツバキオオカミヤシロ)の奥宮に行こうと思い立ち、参拝仲間の明神さん親子と一緒にクルマで三重県鈴鹿市へ向かいました。週間予報は雨でしたが、前日までの大雨がピタリと上がり、雲間から太陽が顔を出す絶好の登山日和(^0_0^)  神社には午前11時半に到着。

 

椿大神社には私、今年の5月に初めてお参りし、そのあまりの神々しさに感動したのです。(その時の様子はこちら

 

猿田彦大神が祀られてある椿大神社と、天鈿女命が祀られてある椿岸神社(ツバキギシジンジャ)。ほのかな色香さえ感じる穏やかな佇まいの境内に、「いつまでもここに居たい」という気持ちになりました。

 

そこの神官の方に「奥宮へはどう行くんですか」と尋ねたところ、「えっ、行かれるんですか? 少なくとも往復で2時間以上かかりますよ。今日は辞めたほうがいい」と言われ、そのことを明神さんに話すと、「行きた~ぃ」と叫ばれ、この日を迎えるに至ったという訳です。

 

いやはや、今回はこれまでの登拝とは全く違いました。私はこれまで神社参拝のためなら、どんな山でも苦にせずスタスタと登って行きました。奈良の三輪山でも、伏見の醍醐寺でも、明るく陽気に山上にある奥宮や奥の院へと登拝したものです。でも、今回は違った。修験者のための険しい山でした。

 

鈴鹿山脈のほぼ真ん中に位置する標高906mの入道ヶ岳。その麓に椿大神社があり、山頂近くに奥宮があるとのこと。まずは本宮に参拝し、早速、登山口へ…。そこには3つの登山コースが描かれた看板がありました。

 

南回りの二本松コース、真ん中を行く井戸谷コース、北回りの北尾根コース。

 

我々は一番距離の短そうな井戸谷コースを選びましたf(^_^) 谷川のせせらぎや滝の音を聞きながらのウォーキング。10分ほど歩いた時、谷川からのとても涼やかな風を感じ、「わぁ~、気持ちいい」と歓喜の声を上げました。が、次の瞬間、目が点に…。登山コースはその小川を跨いで向こうに続いているのですが、昨日までの雨で増水し、とても渡れる状況ではないのです。


 

 

おそらく普段は川の中に転がっている石を踏みながら渡っているのでしょうが、すべて激しい流れの下に潜っています。橋渡しに使えるような手頃な丸太も見つからず、別のコースを行くことに…。最初の登山口まで引き返し、北尾根コースを歩き出した時には、すでに正午を回っていました。

 

このコースがまた半端じゃなかった! まず、傾斜角は優に45度はあろうという長い長い石段を登ります。登り切った所にあったのが愛宕さんのお社。

 

「ふぅ、やっと着いた」と明神さんのお母さん。「いや、あの看板に描かれていたお社の位置からすると、まだ5分の1ぐらいだと思いますよ」「えー、まだそんなにあるのん?」

 

実際は、まだ10分の1の地点でした。そこから、険しい道が続きます。道なき道、ロープを頼りに登る岩場…。何度も「この道で合ってるんやろか」と思いました。たまに目にする立て札には“通報ポイント”という文言がはいっています。次第に雲行きが怪しくなってきました。ふと、遭難って、こういう時に起きるんやろなぁという思いがよぎりました。詳細な地図も、方位磁石も持たぬ一行。


 

 

ようやく、中腹の山小屋に辿り着いた時は、へなへなと座り込んでしまいました。そこにようやく頂上までのキロ数が書かれた看板がありました。「頂上まで、1.3km」。この微妙な数字に顔を見合わせる我々。「引き返す勇気も必要ですよ」との私の問いかけに、「でも、ここまで来たのだから」と続行を決定。お母さんの荷物を私が持ち、何度も休憩しながら登ります。私以外は皆、蛭(ヒル)に血を吸われながら…。

 

時があっという間に経過します。午後2時…、午後2時15分…、午後2時半…。暗くなる前に戻らなければならないよ…。私は自分に言い聞かせ、水・塩・コーラ・サイダーの残り具合を確かめながら、進みました。


 

 

9合目あたりに着いた頃、それまで鬱蒼とした森であった景色が一転して熊笹の生い茂る光景に遭遇。そして、ようやく下界が見渡せる頂上付近に辿り着いた時、なんと急に霧が立ち込み始めました。もうその辺に奥宮があるはずなのですが、標識には奥宮の文字がありません。横に目をやると、もう殆んど塊様(カタマリサマ)になっているお母さんの姿。

 

「今日はここまでにしておきましょう」と私が言うと、今度はさすがに、皆すぐ同意。特に、お母さんはようやく笑顔を見せ、「ここまで来れたこと自体、奇跡です」と、山の神様に何度も感謝しておられました。


 

 

入道ヶ岳の山頂付近で手を合わせ、下山を開始。下りも本当に一苦労。怪我をしないようにと、それだけ祈りつつ…。実際、何度も転んだり、滑ったりしましたが、午後5時過ぎに全員無事に下山。山の神様、我々をお守り下さり、ありがとうございました!

 

改めて、登山口の看板を眺めていると、絵看板の傍にポイントごとの詳しいキロ数が書かれた紙が貼ってあるのを発見。登る前は誰一人、気づきませんでしたf(^^;  それにより、北尾根コースは井戸谷コースの2倍の距離があったことが判明。「これからは事前のチェックが必要やな」と反省。「でも、事前にそのキロ数を見ていたら、すぐに諦めて、今日のような体験はできなかったよなぁ」ともf(^_^;

 

暗くなった椿大神社と椿岸神社の境内は、燈籠に明かりが灯り、さらなる幽玄の世界に満ち溢れていました。今回の奥宮登拝は生涯忘れ得ぬ思い出となることでしょう(^人^)

 

でもね、ちょっと思いました。入道ヶ岳の樹木が寂しそうだったなと…。いや、もう少し突っ込んで言うと、怖そうだなとf(^^;  みんなが一緒に生きている感じではなく、人は人、木は木って感じ。個々で生きてるイメージなんです。人間がご神体の山と一緒に暮らしているという感じがあまりしませんでした。「修験道の山にそんな感情は要らん」と言われればそれまでですが、私には「この山を大切にする」と意識がもう少しあってもよいのにと思えました。国定公園であるがゆえに、国・県・神社の関わりの加減がうまく行っていないのでしょうか…。それを探るためにも、もう一度、日を改めて登拝しようと思った次第。次は井戸谷コースでf(^_^;

 

この日は午後8時に滋賀県甲賀市土山町の“やっぽんぽんの湯”がある宿泊施設「ダイヤモンド滋賀」に滑り込み、美味しい食事と温泉を満喫し、爆睡しました☆☆☆